副業で開業するデメリットに、本業で失業した際に失業手当が受け取れないことが挙げられます。
どうすれば失業手当を受け取れるようになるか、税務署とハローワークに問い合わせた受け答えをまとめます。
こんな人に読んでほしい
- 副業で開業した後に本業で失業した際の保険制度が不安な人
- 副業の開業に踏み切れない人
要点まとめ
- 廃業届を提出すれば、失業手当は受け取れる
- 参照されるのは、廃業届受理日ではなく廃業日
- 個人事業は、一度廃業しても再び開業可能
失業保険とは?失業手当を受け取る資格と受け取る流れ
失業保険の正式名称は雇用保険
労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して失業保険等を給付
失業した人が、次の就職先を見つけるまでの間、安定的な生活ができるように支給される公的保険制度のうちのひとつ
失業手当受け取りの条件
- 仕事に就く意思と能力がある
- 雇用保険の加入期間が過去2年間で通算12か月以上
ハローワークで求職の登録をすることで1の条件は満たすことができます。
企業に過去2年間で12か月以上勤め、雇用保険に加入している必要もあります(条件2)。
雇用手当の受給タイミングや給与額は
- 失業した理由(会社都合か自己都合か)
- 離職前の給与
によって変わります。
20代では、3-4か月程度、離職前の給与の50-80%の額の失業手当を受け取ることができます。
失業手当についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓↓
【副業で開業届提出】失業手当がもらえなくなるデメリット?
副業で開業していると本業で失業しても失業手当はもらえない
ハローワーク職員との電話にて
Q(自分): 副業で個人事業主として開業している状態で本業を離職した場合、失業手当を受け取ることはできませんか?
A(ハローワーク職員):個人事業主として開業しているのであれば、本業を離職しても失業しているとはみなされないでしょう。おそらく失業手当を受け取ることはできません。
失業保険は、「やる気はあるが仕事がない人」が安定した生活をつづけながら再就職先を見つけるためのもの。
仕事がある個人事業主は、対象にはならないだろうとの見解でした。
個人事業を廃業すれば失業手当は受け取れる
Q(自分): では、廃業届を提出し、個人事業を廃業すれば手当を受け取れますか?その際参照されるのは、廃業日ですか?廃業届の受理される日ですか?
A(ハローワーク職員):廃業届を提出しているのであれば、廃業日以降は失業手当を受け取る権利を得られるでしょう。
本職を離職した場合、個人事業を生業として生きていくか、再就職先を探すかの選択になると思います。
一度個人事業を廃業させ、再就職に専念するのであれば、失業手当を受け取ることはできるという回答でした。
廃業届の話(税務署)
- 廃業届は、事業をストップしているなら受理される
- 一度廃業しても、再び開業できる
いつから失業手当はもらえるの?廃業届の提出が間に合わないリスクは?
申請から失業手当の受け取りまでには1-2か月程度かかります。
離職票が手元に届くのは離職後10日後程度とのことなので、退職が決まった時点で廃業届を提出すれば問題ありません。
失業後、しばらく個人事業を続けた後に廃業しても失業保険は受け取れる?
副業がある程度軌道に乗っている人は、すぐに廃業せずに事業を継続する選択をするかもしれません。
Q(自分): 離職後一定期間(数か月)、個人事業に専念した後、廃業して失業手当を受け取ることはできますか?
A(ハローワーク職員):できる。失業手当の受給期間は(本職の)離職から1年以内。申請から給付までに時間がかかり(前述)、仮に給付権利が残っていても、離職から1年で手当は止まる。
個人事業で生きていくか、廃業して再就職するかは早めに判断しましょう。
まとめ|【副業で開業届提出】失業手当はもらえるの?
本記事をまとめます。
副業で開業した際の失業手当
- 廃業届を提出すれば、失業手当は受け取れる
- 参照されるのは、廃業届受理日ではなく廃業日
- 個人事業は、一度廃業しても再び開業可能
失業手当が受け取れなくなることが副業で開業することのデメリットといわれてきました。
しかし、個人事業を廃業することは手続き上簡単です。
再就職に専念するのであれば、離職が確定したタイミングで廃業届を提出すれば問題ありません。
失業保険の有無を理由に開業を躊躇されていた方、ぜひ開業を検討してみてください!
本記事は、筆者の地域の税務署および東京労働局(ハローワーク)職員との電話を基に作成しております。
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